【インタビュー前編】EDCON 2024/UETHにとって、渋谷web3ハブ「Centrum」とは?
Centrum interview series ● EDCON/UETH Justin Moscowitzさん、Satuさん
今年の夏、日本・東京で初開催された「EDCON」— この世界最大規模のイーサリアムカンファレンスをオーガナイズするDe University of Ethereum(UETH)コアメンバーのJustinさん、Satuさんのお二人にインタビューを実施!【前編】
CentrumはEDCON 2024公式連携会場として、EDCON準備期間中の運営陣やEDCON開催中の参加者のためのコワーキングスペース、関連イベント・サイドイベントのイベントスペースとして、会場提供を行いました。(プレスリリース)
EDCON 2024に向けた準備期間から終了まで、Centrumを東京のメインオフィスとして利用いただいた、UETHのコアメンバーお二人にお話しいただきました。
前編では、お二人の自己紹介、UETHとEDCONについての説明と、EDCON 2024を実際に日本・東京で開催した感想や学びについて触れます。
(インタビュアー:Centrum Partnerships & BD - Tony)
■ コアメンバーのお二人とUETH、そしてEDCONについて
—— はじめに、お二人のことをまだご存知ない方のために簡単な自己紹介と、UETH、EDCONについてお聞かせください。
Justin:Satuと私はUETHのコアチームの一員です。
私はかなり昔からゲーム業界に熱中していました。途中でゲーム業界を離れることもありましたが、その後再び参入し、最終的には何百もの対面トーナメントを開催したり、世界最大規模のゲームおよびeスポーツフェスを運営するDreamHack社で、米国市場への展開を支援しました。
その頃、Ethereum に早くから取り組んでいた友人たちがいて、彼らは私がブロックチェーンに興味を持っていることを知っていました。そして彼らが「ハッカソンの開催を手伝ってくれないか」と尋ねてきたことをきっかけに「ETHDenver」というイベントの企画に至りました。現在は北米最大のイベントであり、世界でも最大級のイベントの 1 つに成長しました。
ETHDenverが開催されたのは2018年2月です。それから、私はweb3分野のスタートアップ企業を支援することに注力し始めました。その中には、ETHDenverの創設者である Johnが設立したOpolisも含まれています。
ここ2年ほど私自身のプロジェクトに取り組んでいましたが、昨年 8 月にEDCONチーム(具体的にはUETH)に参加する機会が訪れました。常に人々にブロックチェーンへのアクセスを広げることに熱心だった私にとって、それは本当にワクワクする出来事でした。ETHDenverで長年行ってきたことの多くは、人々にブロックチェーンを紹介し、それに興味を持ってもらうことです。参加者の半分は初心者、残りの半分は開発者やビルダーでした。「BUIDL」というミームがあります。「Build for Dear Life」の略です。このテクノロジーを成功させたいのであれば、人々がワクワクするような現実世界のアプリケーションを構築する必要があります。
UETHについて知ったとき、本当に興奮しました。その中核となるミッションは、私が情熱を注いでいることと一致しています。そこで、チームに参加することを決意し、UETHを築いているSatuや他のメンバーに出逢ったのです。
Satu:私はCreative Collectiveと協力して、世界中のクリエイターを結びつけ、Web3にオンボードして、彼らが自分の資産を所有できるように支援してきました。現在、多くのクリエイターが、従来のアート市場ではデジタルアートがまったく考慮されていなかったために、依然として苦労しています。
そこで、私の使命はもっと広いことに気づきました。クリエイティブコミュニティだけでなく、世界中のすべての人々のデジタルリテラシーの世界基準を高めるという、より大きな目標があるのです。私はこの使命に感銘を受け、チームに参加することを決めました。私は2022年の初めにチームに参加し、サンフランシスコからモンテネグロ、そして最近では今年東京で行われたEDCONイベントの企画に携わってきました。
Justin:基本的に、UETHチームは年に一度、「EDCON」というEthereumコミュニティ開発カンファレンスを主催しています。2017年に始まり、この分野で最も長く続いているイベントの 1 つです。
EDCONと他の多くのイベントの違いは、EDCONが移動型カンファレンスであることです。世界中のさまざまな場所を評価し、コミュニティを結束させるために次回のEDCON開催地に何処が適しているかを判断するのが目的です。面白いことに、Centrumのような人々が集まる場所があっても、まだ互いに話をしていない人が沢山いるのです。
コミュニティに入り、そのエコシステム内のできるだけ多くの異なるグループとつながり、国際コミュニティを結集することが、EDCONの背景にあるアイデアの 1 つです。これにより、人々と出会い、つながりを築き、各国でより強固な基盤を築く機会が生まれます。
今年は日本でも物事が急速に進み、ここ数か月の進展にとてもワクワクしています。順調に進みましたが、もう少し時間をかけて更に1年続ければ目標を達成できると考え、来年日本で2年目となるEDCONの開催が決定しました。8〜9月に大阪で開催します。さらに、今後1年間でさまざまなことが起こるでしょうし、他の場所も視野に入れています。これについては皆さんのご意見をぜひお聞きしたいところですが、とにかく私たちは、来年の展開が一体どうなるのかということ、そして日本のコミュニティとより深くつながることを本当に楽しみにしています。
■ 日本・東京で開催されたEDCON 2024を振り返る
—— EDCONの目的の一つは国際展開だとおっしゃっていましたが、今年日本が開催地に選ばれた理由は何でしょうか? 日本コミュニティに惹かれたのは何故ですか?
Justin:実際に日本での開催を決定したのはSatuを含む他のメンバーたちで、私は決定後にチームに参加したのですが、基本的な考え方は、web3 はアジアで急速に成長するだろうということでした。そして、日本はアジアだけでなく、世界でもリーダーになるだろうという強い信念があります。
文化的な観点からは、私たちには理解が難しいことがいくつかあります。web3は、日本では実際よりもかなり大きくなっているものだと私たちは思っていました。皆さんにも共感していただけると思います。物事を高いレベルで卓越したものにしたいという強い願望があり、それが物事を少し遅らせることもあります。
しかし、物事が最終的に軌道に乗ると、本当にうまくいきます。それがビジョンだと思うのです。私たちは、日本がリーダーとなる能力と、正しい精神で物事を正しく行いたいという願望が組み合わさることで、日本において正しい物語を築くのに役立つと信じています。日本の爆発的な急成長こそが、今後5年間のアジアにおけるweb3の成長に大きな影響を与える可能性があるのです。
Satu:決定時は、コミュニティの投票と当時のエコシステムに対する我々の理解に基づいていました。私たちが得た情報はすべて、たとえば政府からのものでした。
昨年、首相はIVS 2023 KYOTO・IVS Crypto 2023 KYOTO、WebXで講演しました。首相だけでなく、政府がweb3政策の推進に大きな関心を示していました。経済産業省には大臣官房Web3.0政策推進室があり、自民党の平さんもこれを非常に支持していました。企業側では、NTTドコモがWeb3イニシアティブの立ち上げに、(正確な数字は覚えていないのですが)数十億ドル費やしています。外国である日本のweb3に対する姿勢や取り組み、現状については、こういった情報を元に理解していました。
—— ありがとうございます。お二人が感じられている通り、日本はweb3テクノロジーに対して前向きと言えます。ただ一般的に日本人、特に企業や政府は、新しい技術やトレンドがあるときはいつも、一歩引いて考える強い傾向があります。飛び込む前に、観察し、評価し、「ここで何が起こっているのか」を慎重に考え、いざ始めると全速力で突き進むのです。
—— EDCON 2024を終えた今、良かった点や難しかった点は何だと思いますか?東京でEDCONを開催し、予想外だった点はありましたか?感想をお聞かせください。
Justin:そうですね…まず、7月は適切じゃなかったかもしれませんね。それがまず最初に思い浮かぶことです。
—— 日本の夏は過酷ですよね…次は秋か春を狙ったほうがいいかもしれません。
Justin:まったくその通りです。代々木公園でかなりクールなことを企画していたんですが、野外にいられる天候ではなかったんです。
でも、私が聞いたフィードバックの中で本当に良かったのは、「最近参加したイベントの中で 信号対雑音比(SN比) が最も高かった」という人たちの意見です。本当に嬉しかったですね。参加者は適切な目的を持ってEDCONに来ていました。彼らはビルダーであり、Web3の未来を形作る人たちです。正しい理由でそこにいる人たちを引き付けることは、私たちが一生懸命に努力してきたことです。なので、少なくともその点では達成感を感じています。
非常に広い会場だったので、実際の3~4倍は来場できたでしょう。参加者数は期待に少し届かなかったものの、日本で初めての開催としてはどの日も沢山の参加者が集まったと思います。
あとは、ローカル市場にアピールするには、日本語のコンテンツをもっと増やす必要があるという意見も学びになりました。初めての開催だったことも理由の 1 つだと思います。人々に「これは何なのか? これは自分にとって重要なのか?」ということを理解してもらう必要があります。また、日本の企業や組織とより緊密に連携する必要があると思います。
世界中の多くのブロックチェーンイベントでは「ここにスペースがあるから、行って何かやってみてください」というスタイルが多いですが、日本ではもう少し厳選された物事・キュレーションされたイベントが求められる傾向があることも学びました。だから、一歩引いて「楽しかったよ、クールだった。だけど、これをさらに本格的に、ちゃんともう一度やろう。」と言うことは、私たちが日本の企業とグローバルなweb3のオーディエンスとのつながりを橋渡しできるように継続して取り組むという意図に繋がるのです。
〜 続きは【インタビュー後編】Centrumを利用して良かった点と改善点、UETHの将来や次回のEDCONについて、そして日本のweb3コミュミティへのメッセージ
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